婚約指輪イメージ

25年目にやっと渡せた結婚指輪

昔プロ野球の有名な選手がまだプロになる前に結婚をした際に、貧乏でお金が無かったのでカーテンレールのリングを指輪の代わりに渡したという有名な話があります。
ご当人は大変な呑兵衛で、貰う給料の殆どが酒代に消えていたとかで、なかなか豪快な話だと感心した覚えがあります。
尤も、そんな話が通用したのは今からウン十年も前の話で、今の時代にそんな事をやったら、直ぐに彼女に愛想を尽かされてしまい、慰謝料を請求されてしまうといった羽目に陥ってしまいかねません。
私の場合は、そのプロ野球選手ほどの呑兵衛ではありませんでしたが、そこそこお酒も飲みますし、ギャンブルもやる方でしたので、矢張り結婚当時は貯金がゼロという状態でした。
当時私は日本人が指輪の交換をするなんて、チャンチャラ可笑しいと粋がっていました。
ただ私のような貧乏人のところへ家族の反対を押し切って飛び込んで来てくれた妻を思うと、自分の方針を変更してここは何としても結婚指輪を渡さなければと思ったのでした。
ただ何せ先立つものが有りません。
どうしようかと迷っていたのですが、うまい具合に近くに住んでいる後輩の実家が質屋さんだっと事を思い出しました。
そこで彼に手頃な値段の指輪はないだろうかと相談を持ちかけたのです。
すると彼は快く私の相談に乗ってくれて、かなり安い値段で銀の指輪を実家から持って来てくれました。
そして、これは決して質流れ品ではなくて新品ですからね、と何度も念を押して新婚にふさわしいものだと強調していました。
生まれて初めて渡す指輪でした。
貰えると思っていなかった指輪を受け取った妻は目に涙を浮かべて喜んでくれました。
もう少し余裕が出来たらちゃんとした結婚指輪を買うからね、と言って彼女の指に嵌めました。
妻はずっとその指輪をしていました。
ところが年月が経つにつれて、その銀の結婚指輪は曲がってしまい折れそうになってしまいました。
そこで仕方なく妻はその結婚指輪を外してしまっておくようになりました。
私は元々指輪に全く関心がありませんでしたので、妻が結婚指輪を外している事すら気づきませんでした。
それから月日が流れ、結婚25年を迎える事になりました。
銀婚式だから、何か妻にプレゼントをと思った時に、25年前の約束を思い出したのです。
そう言えば、妻の指には結婚指輪が見当たりません。
その時になって初めて妻が指輪をしていない事と、その理由を知りました。
そこで私としては思い切って少し値段の張る指輪を買おうと決意しました。
それから毎日ネットで、結婚指輪の意味やどんなものが良いのかといった事を勉強しました。
結婚記念日の2週間前になって、やっと買う指輪を決めて、ここなら信頼の置けそうだ等思うショップに注文をしました。
0.3カラッとにも満たないダイアモンドですが、品質の良い物を選んだつもりでした。
結婚記念日の2日前に品物が届きました。
ケースを開けた時の妻の目の輝きは、ダイアの輝きにも負けないものでした。
妻はその指輪を嵌めて自分の手をじっと眺めていましたが、安いダイアの指輪をもう一本買ってほしいと言いました。
何故なのか理由を尋ねると、こんな立派なものを嵌めていて失くしでもしたら大変だから、普段はもっと安いものをその代わりにしていたいのだとの事でした。
結婚当初も貧乏でしたが、25年経ってもまだ貧乏なくせは抜け切れないものだと、笑いあったものでした。
貧乏を嫌がらずにずっと私に付いて来てくれた妻には感謝の言葉もありません。
ありがとう。

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